ストライキの素朴な質問Q&A

Q1.ストライキの語源は?

A1.ストライキはかつて待遇に不満を持った水夫達が帆を降ろして(strike)、船を止めたことから労働用語になったといわれています。

 

 

 

Q2.労働組合がストライキすると会社には損害がでますね。

労働組合は損害賠償を請求されないのですか?

 

A2.労働組合のストライキが正当な目的(争議行為)であれば、会社側は出た損害を労働組合に請求することはできないと労働組合法という法律で決められています。

たとえばプロ野球選手会のストの時、オーナーたちはストをすれば、損害賠償請求をすると恫喝しました。

しかし、プロ野球選手会は法的にも認められた労働組合で、ストが正当な争議だったので、刑法上の処罰の対象にもなりませんし、損害賠償請求もできませんでした。

 

 

 

Q3.忙しいので、ストライキを無視して働いてもよいですか?

A3.ダメです。ストを無視して働くことはスト破りと呼ばれ、団結を乱したものとして除名・罰金・始末書提出など処分の対象となることがあります。

 

 

 

Q4.どんな時にストライキをすのですか?

A4.個別の組合(単組)が行うストライキは、労使で話し合いがまとまらない時の最後の手段です。

ですから交渉がデッドロックに乗り上げ、産別団交(産別組合の役員が参加した団体交渉)などを行っても、どうしても解決の糸口が見つからない場合などに上部組織などとよく相談して実施します。 

また、単産(産業別に組織された労働組合)などで確立した「連帯スト権」に基づいたストは単産の指令通りのストを実施し、単産の提起するデモや宣伝行動、集会などに参加するのが原則です。

 

 

 

Q5.ストライキをして仕事をしなった時間の分の賃金は支払われるのですか。

A5.ストライキをして業務に従事していなかった時間については、会社がその分を賃金カットするのが普通です。

しかし、賃金カットを行わないよう会社に申し入れるなどして、会社がそれに応じるという場合も見られます。 

カットされた賃金は、一部の組合員のみが行う部分ストや指名ストの場合は、一般的に組合が補償します。

このために組合日とは別に闘争資金を集めている組合もあります。

また、組合員全員が参加する全面ストの場合の賃金は、組合によって違いますが、保障されたいケースが多いようです。

 

 

 

A6.ケースバイケースで判断すべきです。労使関係が悪く、経営者が組合の意見を聞く耳を持たないような場合は、仕事を止めるようなストライキもやむを得ないでしょう。しかし、全面ストや指名ストを行使する場合でも仕事に支障が無いよう組合が配慮しているのが現実です。

 

 

 

Q7.闘争時にストライキ権は確立しますが、ストをしない場合も有りますね。ストをしなくてもスト権の確立は必要なのですか?

A7.たとえストを行使しなくても、スト権は確立すべきです。スト権を確立しておけば、いつでも必要な時ストが行使できます。たとえストをしなくても、スト権を確立したことが団体交渉の材料となり、有利に進められます。

 

 

 

Q8.ストライキをすると要求は前進するのですか。

A8.第一次石油ショック後の1974年の春闘は、過去最多の362万人がストに参加し、史上最高の賃上げ2万8,981円、32.9%を獲得しました。

全国の労働者が団結しストを行えば大きな力を発揮できるのです。

 

 

 

Q9.ストライキ以外にどんな争議行為がありますか?

(ア)怠業(怠業) 労働者が団結して労働力を質的・量的に不完全な状態で提供する行為をいいます。一応労務が提供されている点でストライキと区別されます。この怠業には、労働の能率と低下させることにとどまる消極的な怠業(スローダウン)と不完全な労務の提供により故意に廃品をつくったり、生産設備に損傷を与えたりする積極的な怠業(サボタージュ)があります。

 

(イ)生産管理 企業の施設機材を事実上労働組合の支配下に置き、これに対する使用者の支配を排除して、労働組合が企業の施設器材の管理運営を行うことを言います。

 

(ウ)職場占拠 これは、ストライキなどの時に座り込みなどの方法によって職場を占拠することで、ストライキの実効を強化します。

 

(エ)ピケッティングストライキなどの争議中の労働組合が組合員の争議からの脱落や、他の労働者、使用者側の要員による就労、争議破りなどを防ぐために、職場の出入り口に組合員が立ち並んだり、ひもを張ったりするなど出入り口を行為を言います。