全労連共済基礎講座3.医療用の保険はどれくらい必要でしょうか?
今日は、医療保険について考えてみましょう。考え方は生命保険・共済と同じで、「もしも病気になったらいくら必要か」という点から出発します。
病気で入院する場合、入院費用や治療費といった医療費だけでなく、その間の生活費が必要です。
ここで大切なのは、実際の医療費がどのくらいかかるかを見積もってみることです。
次の順番で考えるとわかりやすいです。
入院するといくら必要? ~入院費や治療費といった医療費は?
Aさん(年収300万円のサラリーマン)が盲腸で1週間入院した場合、入院費や手術代を含めた治療費など医療費が30万円かかるとします。このとき健康保険に入っていればサラリーマンの自己負担は3割ですが、高額療養費制度があるので実際は、約8万円を自分で支払うことになります。
しかし、高額医療費の対象にならない費用の存在を忘れてはいけません。
主に「食事代」「差額ベッド代」です。
「食事代」は1日約800円、「差額ベッド代」の平均はだいたい1日4000~5000円といったところでしょうか。差額ベッド代は、2人部屋や個室などに入った場合に必要な費用です。
最初の1ヶ月目は約10万円の出費は覚悟しなければいけません。
それから、家族がお見舞いに行くときの交通費やそのほか機会費用も、入院が長期にわたると大きな負担となってきます。そのほか、入院に必要なさまざまな雑費を考える必要があるでしょう。
入院中の給料は? ~健康保険からの手当金も考慮する
病気やケガで休んだ場合、健康保険から「傷病手当金」が支払われることになっています。
金額はおおよそ給与の2/3程度で、1年6か月を限度として支払われるものです。もらえるのはためにはいろいろと細かい規定はありますが、こういった制度もあります。
このように見てみると、収入は減ってもまったくなくなるわけではないので、なんとかなりそうに思えますが、入院が長期に渡るとやはり入院費の出費は大きな負担になります。
あくまでも基本は、いくら必要か、そのための保険料が払えるか、であることを忘れないようにしてください。